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KARL URBAN 1972/6/7 ニュージーランド
「LOTR 二つの塔」と「王の帰還」のエオメル役で世界的に名を馳せたニュージーランド俳優。その後、オーストラリアからなかなか出てこないデヴィッド・ウェナムとは正反対にがんがんハリウッド作品に進出しているので目にする機会は格段に多い。ただし、今のところ全部アクションなんだけど・・・。
私は「LOTR」のファラミアがカットされまくってキャラが変わったことでぶりぶり文句を言ったが、エオメルこそ最もそのカットの嵐で人間味のあるキャラを見事に消されてしまった一番可哀想な人かもしれない。妹思いの心情が表れるいい場面はSEE版でしか観られない。劇場公開版のエオメルはかなり猛々しいイメージになってしまっているので必然ハリウッドからのオファーはアクション一辺倒になってしまったよう。いかにエオメル役が強烈な印象だったということだろうが、また強面だからハマるんだよね、これが。
ニュージーランド時代の「デモンズ2001」や「ゴーストシップ」といったオカルトホラーに始まりアクション作品がとにかく多いカール・アーバン。
「リディック」はどうかと思うが「ボーン・スプレマシー」の殺し屋は最高にカッコよかった。「ボーン・アイデンティティー」のクライヴ・オーウェンよりも存在感があったとおもう。堅い無表情に近いその冷たい目は殺し屋の雰囲気にサマになること。
「DOOM」はこれまたSFアクションで共演がザ・ロック。「リディック」の時のようで激しく嫌な予感がしたのだが、ところが!これが意外に今までの中では比較的キャラに深みがあったかもしれない。過去のトラウマのためにちょっと性格的に翳りがある正義感の塊のような男。確執のある姉との関係など、シューティングゲームの映画化作品にしては気の利いたキャラクター設定だった。でも思うんだけど、姉役がロザムンド・パイクで、むさくるしい男ばっかりの戦闘シーンだらけの中で凛とした美しさを見せる彼女との一緒のシーンが結構ある。なんで姉なのだ?恋人という設定じゃいかんのかい?普通はこういう紅一点の状況だと恋人なんだけどね。可哀想にアーバンにおいしいところはなかったわけで・・・。彼はラブシーンも多い方ではないだろう。
ここにきてようやく戦わない、武器を持たないカール・アーバンを初めて観た。ニュージーランド時代の「ミルクのお値段」というファンタジーっぽいラブストーリー。うってかわって酪農家の青年というから正反対のキャラ。これがまた素朴で優しい顔してるんだわ。
余談だが「ミルクのお値段」のハリー・シンクレア監督はピーター・ジャクソンの友人で「LOTR」にはなんと監督自身もイシルドゥア(!)役で出演している。アーバンの起用に一役買っているのは一目瞭然。
新作もまたアクション作品らしいのだが、次々とオファーは続いているようだから役の広がりは今後に期待しよう。
優しさと無機質さの両極端な顔を持つアーバンはなかなか面白い俳優だと思う。正直言えばルックス的には好みじゃないのだけど「LOTR」で発掘されたニュージーランド俳優が活躍していくのを応援したいと思っているわけである。
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