スティーヴン・ディレーン
2006-05-29


禺画像]
STEPHEN DILLANE  1957 UK

「GOAL!」で主人公にサッカーの才能を見出し、英国のクラブチームに誘い、やってきた彼を支える存在となる英国人を演じるディレーン。こんなイベント的なメジャー作品で大々的に顔が出るのは初めてじゃないだろうか。
「キング・アーサー」でマーリンなんかを演じているがあれはちょっと・・・。あまり言及したくないのでここでは省略したい。興味がある方は確かめていただきたい。(笑)

初見は多分「ウェルカム・トゥ・サラエボ」。当時は主演でありながらまったく彼を知らなかった私は共演のウッディ・ハレルソンやマリサ・トメイしか認識できず、俳優的な興味を持つことなく社会派ドラマとして観ていた。サラエボの戦場報道記者を演じた彼は今思うと非常に熱演を見せていてぐっとくる部分もあったように思う。再見したらまた魅力再発見となる予感。
そんなわけで実は記憶に薄い。目立つタイプでもないし地味な俳優なのだと思う。「私が愛した愛したギャング・スター」の彼もまったく覚えていない・・・。
記憶に留まるようになった最初は「スパイ・ゲーム」でレッドフォードにしてやられるCIAの本部の役人。他にも見たわけではないがイメージとしてこういうスーツをビシッと決めたお堅い官僚などがはまるタイプではないかと思う。

「めぐりあう時間たち」ではニコル・キッドマン演じるヴァージニア・ウルフを支える優しい夫だった。これまた非常に地味だが私は作品的に彼に同情してしまって悲劇的な結末に彼の無念さを思うとかなりやりきれなかった。一心に愛する人を想う男として静かな情熱を感じたのだが、それが大正解だったことを後に知ることになった。
彼に強烈に惹かれたのは「ファイヤーライト」だったからだ。
昏睡状態にある妻との間に子をもうけられない英国貴族の彼はソフィ・マルソーに仕事として自分の子を産ませる。彼女は娘を産んで彼に渡した10年近く後になって娘と彼を探し出し、名乗らない約束で家庭教師となる。娘と彼と共に暮らすうちに彼を愛してしまう・・・というストーリーなのだが、ソフィとディレーンの抑えた演技からほとばしるほどの情熱を感じた。マルソーが体当り派なのは判っていたがディレーンからも官能的なものを感じ、これはかなりセクシーな俳優かもしれない!ってなわけである。ある程度マルソー効果もあっただろうとは思うが見た目にクールで地味なので情熱を感じた時のギャップが激しく結構ハートをわしづかみにされたくらいの衝撃があった。

その容姿からクラシックなコスチュームものが勿論似合う。正統派英国人の雰囲気をたたえていて強烈なイギリス英語がさらにセクシーに感じる(のは私だけかもしれないが・・・)。

最新作「GOAL!」でトップ選手として登りつめていく主人公の影となり支えとなるエージェントになっていく彼は、常に優しく静かに彼を見守りゲームやプレーを見る時は熱くなるニューカッスルの元選手というキャラクター。現代人役の彼を見るのは久しぶりだが地味であることは変わりないのだがその静かさの中に潜む情熱が見え隠れするのが実に魅力的だ。これから来年にかけて「GOAL!2」、「GOAL!3」と観ることができるのは嬉しい限り。
'87年のデビューから映画に舞台に英国中心に活躍してきているが映画でも見落としているものもありこれからまた再見しようかなと思っているところだ。
[actor(サ行)]

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