トム・ホランダー
2008-02-22


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TOM HOLLANDER   1967/8/25  UK

久々の俳優の登場であるが英国俳優を取り上げるのは久しぶりだな。ここ最近、英国映画でぴんとくるものがなくて、ハリウッド映画でのマイナー俳優に目を留めることが多かったのだけど、実はホランダーもかなりのハリウッド進出派の英国俳優。クリスチャン・ベールやクライヴ・オーウェンなどの主演級じゃなく、傍役としてハリウッドメジャーにバリバリ出演しているタイプ。

いや、英国でコンスタントに活躍してるんだと思うんだが、日本に入ってこないんでわからないだけ。よく目にするのは、ハリウッドメジャー映画で起用されやすいはまり役があるから。
なんつっても「パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト」
「パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド」のベケット卿。憎まれ役の極地。この手の役は度々見られるので記憶にある方もいるんじゃないかと。

最初に彼を見たのは生粋の英国映画。「マーサ・ミーツ・ボーイズ」。アメリカ娘を取り合う3人の英国男の一人で、ジョセフ・ファインズ、ルーファス・シーウェルとどたばたを繰り広げるコメディだった。彼がTV業界人だったのが笑えた。派手なファッションでいかにもな態度。最初はコメディアンなのかと思った。

でも彼が注目される役柄は違った。「プライドと偏見」「パパラッチ」に、先の「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズなど、ほんっとに憎たらしいったらありゃしないキャラクター。力の有無も様々、笑えるキャラもあればマジでイラつくくらいやな奴キャラまで。でも概して好感の持てない役なんだなぁ(笑)。

そして似合うのがいかにも英国人的な佇まい。クラシカルなものから現代まで、彼には一貫したクールさがある。
「リバティーン」「エリザベス ゴールデン・エイジ」での彼は憎まれ役に限らない微妙な冷たさを湛えた味わい。コスチューム物に違和感がまったくないのが英国人俳優らしいところ。「ゴスフォード・パーク」や「プロヴァンスの贈りもの」などの現代物にしてもどこか居住まい正しい英国人をばりばり感じさせるような個性は彼ならではだろう。

「パパラッチ」のように小粒な役だけでハリウッド進出では寂しいけれど、「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズの出演は決して彼にとってマイナスではないだろうし・・・。彼の今後の行方が危惧されるところだが、英国人俳優はそこで留まらないから安心できる。ハリウッド作品に出ていても、次に英国に戻ってTVシリーズに出たり、小さな英国作品に出たり、自分を見失ってはいないのよね。ああ、よかった♪
マイナーな英国作品はすぐに観られることはないけれど、彼が自分の持ち味を見失わないで活躍を続けてくれれば文句はない。格別二枚目でもないし、主役を張れるタイプではないけれど、息の長い活躍を期待したい英国の性格俳優だ。
[actor(タ行)]

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