トランスアメリカ
2007-03-05


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トランスアメリカ TRANSAMERICA
2005 米 監督:ダンカン・タッカー
フェリシティ・ハフマン ケヴィン・セガーズ エリザベス・ペーニャ フィオヌラ・フラナガン バート・ヤング グレアム・グリーン

性転換手術を決意した性同一性障害のハフマンは突然自分に息子がいたこと知らされる。拘留された警察から出してやり彼を今の親元へ送り届けるために一緒に大陸横断の旅に出る。

彼女をよもや父親とは知らない息子とのなんとも複雑な感情を秘めたままの旅はおかしくもあり温かくもあるコメディ感覚のドラマ。
ネイティブ・アメリカンのグリーンやハフマンの家族たちなど旅をする先々で出逢う彼らを取巻く人たちもまた温かい。ロードムービーならではの味わいだ。

ハフマンの演技は各賞で話題になったが特殊な役柄だからというのではなく複雑な心情がストレートに観ている者に伝わる演技だからだったのではないかと。彼女の泣き顔は女としてみっともないことこの上なかったのだが、だからこその時の彼女のどうしようもないせつなさが伝わるシーンだった。
息子役のセガーズがルックスも演技もなかなかの好印象。生意気だけどどこか寂しげでハフマンとしても放っておけなくなってしまうのは彼に母(?)性本能をくすぐられたか。

次第にセガーズがハフマンに好意を持ってしまうからまた大変なことになるのだが。コメディとはいえトランセクシュアル(性転換手術)というのは本人は勿論だが家族にとっても大変な問題。頭と心で受け止められるかは本人たちの間の関係次第。どれだけお互いの胸のうちを知り、信頼し、理解してあげられるか・・・。

あの救いを感じさせる終わり方がとても心地よい。いい映画を観たなと思う1本だ。
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