ポール・ジアマッティ
2009-01-25


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PAUL GIAMATTI  1967/6/6 USA

よく見る傍役オヤジ俳優の一人で、彼についてもいったいどれが最初だったのか覚えていないし、作品名を見てもどんな役だったのか忘れてしまったものもある。しかしながらここ数年、印象的な役や主演作も出てきてめきめき注目されるようになった名優である。

オヤジ俳優 と書いたが改めて気がついた。同い年だった〜。若い頃から今と印象が変わらないのでもっと年上かと思っていたわ。私が覚えているところで一番古いのは「プライベート・ライアン」の兵士の一人か「交渉人」の人質かなぁ。アクが強い傍役で、あのギョロっとした目と早口で捲し立てる喋り方が多くの登場人物の中にいても強烈な印象を残す。
その前に「サブリナ」「誘惑のアフロディーテ」「判決前夜」でも見ていたらしいが、はて?「ベスト・フレンズ・ウェディング」「フェイク」はちょっとおぼろげに憶えてるかも・・・。「デュエット」では歌ってたっけ?「トゥルーマン・ショー」はエド・ハリスの部下でお月様の中にいたんだっけ?「シングルス」は再見して確認。はいはい、いましたね〜。これがデビューだそうだ。

一人の役として個性が強いのは「PLANET OF THE APES」(笑)。メイクが似合いすぎと言ったら怒られるでしょか。もちろん"猿"役です。狡猾な役で妙にぴったりなキャラでした。

これがハマリ役だなんてあんまりなので、本当のハマリ役を挙げましょう。「マン・オン・ザ・ムーン」でジム・キャリー演じる主人公をずっと見つめてきた友人。「ビッグ・ママス・ハウス」はマーティン・ローレンスの変身を手伝ってあげる彼。「ペイチェック」ではベン・アフレックを助けてたし、主人公の側にいて支えてあげる役回りが結構ある。その最たるものが「シンデレラマン」でラッセル・クロウをずっと支持して助けてくれたトレーナー兼マネージャー(?)役。これでアカデミー賞の助演男優賞ノミネートはすごく納得だった。真剣になって友を助けようとする姿勢に心打たれる。逆境に立たされた時にあのギョロ目と早口で真剣に熱く叱咤激励してくれる、かなり頼もしい存在。実際にこんな人が側にいてくれたら嬉しいと思うもの。

傍役で重宝される立場でありながらインデペンデント映画では活躍の場が広い。実力ある俳優のタイプ。「ストーリーテリング」や「アメリカン・スプレンダー」のような個性的な作品で重要な存在を見せつけている。「アメリカン・スプレンダー」の主演は特に注目を集め評価された。

近年の活躍はますます目覚しい。「シンデレラマン」の他に主演作で話題になり各賞を受賞した「サイドウェイ」も。見ての通り二枚目のタイプじゃない。どこにでもいる普通の人だからヒューマンドラマは勿論だが、そんなに甘くないラブストーリーが身近でリアルに感じられるのだと思う。
この2004年辺りから彼の快進撃が始まった。M・ナイト・シャマランの「レディ・イン・ザ・ウォーター」でも主演。こんな不思議な世界もジアマッティの個性が意外にマッチして面白いのかもしれない。

そしてまた新しい一面が。普通の人で基本的に"善良"で"良心"を前面に見せる役がほとんどだったので、かなりびっくりしたのが「私がクマにキレた理由」でのローラ・リニーの夫。家庭を顧みない愛人のいる冷酷な男。もともと人相は怪しいかもしれないが、ジト目でニコリともしないと冷酷さが際立って怖いくらいだった。傍役俳優だからよく考えれば当り前なんだけどあまりそういうイメージがなかったのは確か。続けて「シューテム・アップ」を観たら強烈な悪役だった。ギョロ目をさらに大きくさせて早口で喋る言葉を口汚くするとこうなるのか、なるほど。


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[actor(ハ行)]

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