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頼もしさも重鎮さが増してくると、ベン・アフレック主演の「トータル・フィアーズ」ではCIA長官。そりゃないだろってなストーリーだったけど、ここでは、まあ善しとしよう。「ディープ・インパクト」ではとうとう初の黒人俳優による米国大統領役となった。地球の滅亡目前の人類に向けた演説は彼ならではの存在感でこの映画の見所のひとつとなった。彼の落ち着いた声も語り口も素晴らしい。
「ブルース・オールマイティ」ではとうとう神様役!って、これはご愛嬌。でも彼くらいの存在感がなきゃ、なかなかできる配役ではないかとも思える。
一貫して温厚な人物かドラマ性の高い作品ばかりかと思いきや、意外にそうとも限らない。
「フラッド」で正義の代表みたいに孤軍奮闘するクリスチャン・スレイターが戦った相手がフリーマン演じた強盗のボス。
「ドリームキャッチャー」の常軌を逸した大佐は意表をついて思わず笑えた(笑)。
過去作にも、荒廃した学校の立て直しを描いた「りんご白書」では体制側の弁護士役。同様のストーリーの「ワイルド・チェンジ」では今度は闘う側の教師だがこのキャラクターがなんとも個性的で・・・普段見慣れたフリーマンとは大違いでびっくりする。
すっかりキャラクターが定着しているフリーマンだが、当り前だけど長い俳優経歴において様々なキャラクターを演じているわけで、それゆえに名優たる存在感が生まれているのよね。
「ベティ・サイズモア」は殺し屋でありながら、現場を目撃した主人公のレニー・ゼルウィガーに惹かれてしまうというコメディ。
ハワイが舞台の「ビッグ・バウンス」ではホテルも経営する、アロハを着たらしからぬ判事。キャストが楽しいクライムコメディでこんな作品の彼も楽しい。
「ラッキーナンバー7」なんてひねりの効いた軽めのサスペンスではアンサンブルキャストのひとりだった。
近作ではこんな軽めの作品も増えてきてキャラクターもバラエティに富んできつつも、クリスチャン・ベールの「バットマン ビギンズ」ではベールに戦闘ツールを用意し彼の陰の力となり、「ダニーザ・ドッグ」ではジェット・リーに人間の心を取り戻させる。彼ならではの配役は見ていて安心の一言。
彼の存在感は配役の上で確たる求められるものがあるのだと思う。フリーマンじゃなきゃ!みたいな。それは共演者とのバランスにも言えること。
本格サスペンス「アンダー・サスピション」は主人公のジーン・ハックマンがレイプ事件の容疑者となるが彼を追い詰める警察署長役がフリーマン。
新作の「最高の人生の見つけ方」は、死期が近いふたりの老人が一緒に旅に出る話だがこの二人を演じたのがジャック・ニコルソンとフリーマン。なるほどなキャスティングだよねえ。
安心できる役柄も、面白い役柄も、バランスよくコンスタントに出演し続ける活躍は現在も続く。ずっと見てきた傍役俳優。いつかこの人の功績も報われるべきだと思っていたら、「ドライビング Miss デイジー」「ショーシャンクの空に」で助演賞にノミネートされていたアカデミー賞を、2005年に「ミリオンダラー・ベイビー」でついに受賞。クリント・イーストウッドによるこの作品。出演シーンは多くはないもののその演技と存在感は確か。今までの功績も合わせての受賞ってことだと思う。でも本当は、傍役として全編に渡って姿を見せている作品のほうがフリーマンらしいと思うんだけどね。
様々な俳優、女優と共演してきて彼自身も楽しいだろうし、多くの共演者たちも彼に敬意を感じてきてるんじゃないかと勝手に思うんだけど。少なくとも彼を嫌いな俳優なんていないと思う。現在の映画界に欠かせない人であることは間違いないし、いなくなったら絶対にさびしい。すっかり老人役以外にあり得なくなってしまったけど、まだまだその姿を見ていたい。
彼ならば、引退などしないで生涯現役でいて欲しいとわがままを言ってもいいでしょ?
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