ジョン・キューザック
2008-05-18


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JOHN CUSACK   1966/6/28 USA

最新作で見たキューザックに、昔から彼に馴染みのある人ならば少なからずとも衝撃を受けたはずだ。私とそう歳が違わないんだけど、80年代からゆでたまごみたいにツルンとして、いつまでも歳をとらないようなイメージでいたのだが、その新作で見た彼は、メタボな中年っちゅうか・・・。ショックだなあ。

もういつ見たのが最初だかなんてわからない。たぶんに多くのジョン・ヒューズ作品でちょこちょこ見かけたのが最初だろう。「すてきな片想い 」「ブレックファスト・クラブ 」「 ときめきサイエンス 」「フェリスはある朝突然に 」「大災難P.T.A」「結婚の条件」と、そのほとんどに、しかも姉のジョーンとともに出演している。ジョン・ヒューズ組の一員として、彼とは親しいようでチョイ役でも嬉々として演じているように見える。この二人を探すのもジョン・ヒューズ作品を観る楽しみの一つ(笑)。

ジョン・ヒューズ作品に限らず、キューザックは80年代の青春映画の常連。「セイ・エニシング」「シュア・シング」「恋のスクランブル」「ワン・クレイジー・サマー」、そして「スタンド・バイ・ミー」。80年代はキラキラした明るく甘酸っぱくそして切ない青春映画がたくさんあったが、その時代に欠かせない若手俳優だった。ロブ・ロウやマット・ディロンのように主役級の二枚目とは言い切れずこれといって特徴もない、クラスメイトにいそうなタイプというか。主役でもそのスタンスは変わらず、普通の男の子ならではのキャラクター。それがいいんだなあ。

思うに彼の代表作って何だろう?これといった決定打は思い浮かばない。だけど、青春映画時代を過ぎて90年代には社会派ドラマからコメディ、サスペンスとジャンルを問わず幅広い作品で活躍。どんな作品でも彼らしさはそのままに、その作品の中にいつもしっくり溶け込んでいる。たとえ主演であっても、俺が俺が!ってタイプじゃなく、存在感がうるさくない。薄いんじゃないよ。うるさくないのだ。
主演のような助演のような役が多いのかな?「訣別の街」はアル・パチーノ、「真夜中のサバナ」はケヴィン・スペイシー、「トゥルー・カラーズ」はジェームズ・スペイダー、「マルコヴィッチの穴」はジョン・マルコヴィッチとキャメロン・ディアス、「狂っちゃいないぜ」はビリー・ボブ・ソーントン・・・。挙げていくとキリがない(笑)。
でも決して彼らに負けているわけじゃないんだな。キューザックはキューザックなんだもの。

そんなわけで作品のタイプは様々だが、私は80年代の雰囲気やキャラクターがそのまま大人になったようなキャラクターの彼に惹かれるのかなー。
「ポイント・ブランク」のなんだか冴えない殺し屋。鬱々とした気分を抱えている「ハイ・フィデリティ」、おたおたばたばたしてる「ブロードウェイと銃弾」。これがまた、うろたえる場面が浮かびやすいってなんなんだろうね(笑)。
その傾向はロマンチックロールでも同じ。やっぱりじたばたしてる「アメリカン・スウィートハート」、なんだか優柔不断な「セレンディピティ」、カッコよくいかない「理想の恋人.com」。
でも、そこがいいのかな♪
基本的にあたりの柔らかい優しそうなルックス。普通の人はいつもそんなにカッコよくきめてるわけじゃない。悩んで迷ってじたばたおたおたするのが常なのだ。だからそんな彼に親しみが持てるのかもしれないね。

しかしいつもそれでは俳優として代わり映えしない。優しそうだから、平凡そうだから、サスペンスで表情を変えず、冷たい態度をとってたりすると、真相が読めにくいかもしれない。何か怪しいけどどうなんだろう?って。「“アイデンティティー”」はアンサンブルキャストだったけど、彼をはじめキャラクターが多彩で展開も読みにくくてサスペンスとして面白かったな。あまりそういうタイプの作品では見られないキューザックの一面が見られたのも嬉しかった。

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[actor(サ行)]

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