ジョッシュ・ハッチャーソン
2008-04-13


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JOSH HUTCHERSON   1992/10/12  USA

近年の子役の中で一番の注目株がこの子。どちらかというと仏頂面、不機嫌顔の印象が強く、ありがちないい子や元気な男の子より、ひねてたり暗かったりするリアルな現代っ子が多い。だから、ストーリーが進む中でやっと笑ってくれた時の笑顔の可愛らしさにほっとするのだ。

子役で取り上げたい子がいても、出演作が多くないのでなかなかネタが集まらないのだけど、彼は違う。デビューは10歳の時。キャリアはまだ5年そこそこでありながらTVMを含めて既に20本ほど。「ポーラー・エクスプレス」や「ハウルの動く城」の英語吹替え版などもあり活躍の幅は広く、すごいスピードで出演作が増えている人気子役俳優だ。
映画デビューは「アメリカン・スプレンダー」だったらしいが記憶にない。再見の機会があったら探したい。10歳のハッチャーソンは可愛かったろうなぁ(笑)。
最初に見たのは「ザスーラ」のお兄ちゃん。無邪気な弟のジョナ・ボボがとにかく可愛いので、逆にいつも不機嫌なハッチャーソンのその時の印象はもうひとつ薄かったんだけど、今思えばなかなかのキャラクターで、ダックス・シェパードとのシーンは印象深い。

子役らしくファミリーコメディが主流なんだけど、いろんな父親と母親に恵まれてさぞかし楽しいだろうなと思うのだけど。「RV」ではロビン・ウィリアムズ、ウィル・フェレル主演のドタバタコメディ「ペナルティ・パパ」ではロバート・デュヴァル(!)だよ。子供も大変だ(笑)。
特に「RV」では、家庭を顧みない父親のウィリアムズに対してものすごく冷めた息子。相変わらずの仏頂面が笑わせる。
ファミリーコメディの子役は可愛いだけで、時が経つと記憶のかなたに薄れがちだけど、ハッチャーソンがそれだけに留まらなかったのはこの仏頂面とそれゆえに深みのあるキャラクターの役が多かったからかも。

そして私がさらに注目するようになったのは「小さな恋の物語」を観たから。離婚寸前の両親の姿を見ては不安そうな表情を浮かべる少年。泣きたいのを堪えるようにして彼らから目を反らす。なんともリアルな現代っ子の現状を見るようで切ないのだが、ところがだ、この少年はそんな状況の中で初恋を体験するのだ。いつも近くにいた同級生の女の子にあるときからときめいてしまうのだけど、その表情の変化は目を見張る。思わずおばさんは応援してあげたくなってしまったよ(笑)!
夏休み中で会えない時は彼女の家の前まで行ってみたり、だけど声を掛けられなくて家の前を行ったり来たり。彼女が他の男の子と話してるのを見た時の素直な反応。なんて表情をするんだか〜。
両親役はブラッドリー・ウィットフォードとシンシア・ニクソン。ニクソンの胸の中で大声をあげて泣きじゃくるハッチャーソン。そんなふたりを見つめているウィットフォード。恋して笑って泣いて・・・そんな息子を見ているうちに両親の心にも変化が生じてくる。なんか気持ちがほっこりする物語だった。ハッチャーソンの演技力と魅力が一番良く出ている1本だと思う。今はこれが一番好きかな。

今年公開された「テラビシアにかける橋」では来日もして少し成長した彼がお目見え。今回も家庭や家族の状態が微妙で暗めな苛められっこ。楽しくない日々から抜け出せたのは絵を描いて空想の世界に入っていく時だけ。そんな微妙な役をまた彼らしく好演していた。この時で15歳かな。

もう1本の新作はDVDで「ファイアー・ドッグ」動物もののファミリームービー。今度の父親はブルース・グリーンウッド。父親と同じ消防士の叔父を火災現場で亡くしてから二人とも心に傷を負っている。やっぱりこういう少年役には彼にオファーが行くらしい(笑)。ハッチャーソンとグリーンウッドの親子がとても良い。微妙な心のすれ違いや通い合った時の雰囲気が泣かせるのだ。

大声で泣きじゃくる、親の姿に反応した素直な子供の表情を見せるハッチャーソンに引き込まれてしまった。

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[actor(サ行)]

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