スコット・スピードマン
2007-12-16


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SCOTT SPEEDMAN   1975/9/1  UK

甘めのルックスではあるが、最初はそれほど興味が持てなかった。TV俳優から始まったキャリア。私が最初に彼を見たのも「フェリシティの青春」というシリーズ。ケリ・ラッセルが主演のこのシリーズで彼の役どころは、ラッセルが恋焦がれてストーカーまがいの執念で追いかける彼女の先輩。このラッセルがイライラする女で観ることなく観てしまってはムカついて頭にきていた。
このドラマ自体がこんな印象だったから彼の印象も良くないのかもね。余りにくだらなくてさすがに途中で観るのを止めました。(だったら最初から観るなよ・・・)

見た目に爽やかな好青年のスピードマン。ルックスは覚えていたけど魅力的には感じなかったのが、なんかいいんでないかい?と思うきっかけになったのは「アンダーワールド」。ケイト・ベッキンセール演じるヴァンパイアと結ばれるライカン(狼男?)のスピードマン。これがスタイリッシュなベッキンセールとの相性も良く非常に印象深い。彼女に守ってもらうやや情けない男ではあるが、その甘めのルックスがここでは効果的。異形の者である戸惑いや自分の運命を哀しみ苦しむのに、彼の滲み出る軟弱さがぴったり。でも暗めの画面にちらりとのぞかせる彼の表情は何気に色気も感じられ、ただのグッドルッキングに終らない魅力が感じられた。続編の「エボリューション」では少しずつ逞しさも見えてきて、ますます磨きがかかっていると思う。この作品に出会えてよかったねぇ。
主人公のカップリングが気に入らないと嵌れない私だが「フェリシティ」と「アンダーワールド」の違いはまさにその典型かと。ベッキンセールが気に入るコトだってそうそうないのにねえ(笑)。

「アンダーワールド」以前に観ていたのは「デュエット」。グィネス・パルトロウやヒューイ・ルイスと一緒にアンサンブルキャストの一人だった。結構メインの役立ったにもかかわらず印象が薄いのは、やはりTV俳優の域を出られないのかなと思った。

その次の「死ぬまでにしたい10のこと」も印象は薄いものの、実はこの役は非常に彼らしいと言える。自分の死期を知ったサラ・ポーリーは誰にも知らせることなく自分の人生を終らせるための準備を始める。スピードマンは後に残される彼女の夫。何も知らずに子供たちと自分のために別の女性を用意されるなんて、あんまりといえばあんまりな役なんだけど、妻である彼女や子供たちに傾ける純粋な愛情が彼の優しい表情から感じられて、私は痛く彼に同情してしまい、この作品の見方に大きな影響を及ぼした。

「ダーク・スティール」なんて硬派な作品もある。汚職警官役のカート・ラッセルが主演。スピードマンは彼の相棒だが、ストーリー上、ポイントとなる重要な役どころ。この警察の内幕を描く埃と火薬と血の匂いが漂うような作品の中で、軟弱に見える彼がここでもまた印象に残る使われ方。ラッセルのキャラクターが活きてくるには彼の存在が欠かせない。

「アンダーワールド」以降は映画の活躍が増えているようだ。
「トリプルX ネクスト・レベル」なんて娯楽大作にも出演。主人公に振り回されるちょっと頼りないFBI捜査官。またかいって感じだけど、強烈なアウトローがヒーローの映画にはこういう役が必要だからね。無理なくこなすには適役かと(笑)。
ある意味タイプキャストになり気味の傾向にあるが、これからのことを考えれば今はそれでもいいのかも。
「フェリシティ」で注目され、映画で顔を見るようになってきたのは2000年以降だが、キャリアのスタートは95年頃。英国生まれだが育ったのはカナダ。TVシリーズやTVMにコンスタントに出演作があるので、このルックスだしカナダや米国では早くから人気なのかもね。

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[actor(サ行)]

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