ジョディ・フォスター
2007-11-23


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JODIE FOSTER   1962/11/19  USA

今頃何故な今度は女優です。映画ファンじゃなくても知ってる超実力派。彼女のポジションは不動のもの。彼女の実力に加えてその人間性と生き方とその存在感。ある意味孤高の人だよね。
子役時代から30年以上のキャリアは誰もが認めるもの。でも思うほど作品数は膨大ではない。子役からティーンの頃はその特異な演技力と大人びた雰囲気でいろいろと起用されていたが、大人の女性としての役を演じるようになってからは、作品が厳選されて1年に1本ペースが定着。

私の最初の彼女はたぶん「告発の行方」。オスカーを受賞した問題作。今じゃ珍しくないけどレイプシーンを初めて見たのもこれだったと思う。それよりも化粧もドロドロ、傷だらけの顔で激しい口調と表情がどんなに強烈だったか。演技派女優の初めてが彼女だったわけです。アカデミー賞を知ったのも彼女がきっかけではないかと思う
その後の「羊たちの沈黙」は言うまでもない。サスペンス映画にオスカーをもたらしたこの作品の凄さ。文句のつけようのないキャスティングとその演技。何回でも鑑賞に耐えられる。
このあたりで彼女は知性が漲る印象が固まる。実際にエール大学出身だし、最先端の女性の生き方を邁進してるというか〜。ま、一般人とは違うレベルで人生を歩いている人ってことだやね。

「ジャック・サマースビー」や「マーヴェリック」、後には「アンナと王様」「ロング・エンゲージメント」なんかでクラシカルで女性らしいコスチュームの彼女を見るとブロンドで真っ白な肌の美人。それでも笑わない表情がきりっとするからいっそう知的なんだよね。女性的でも一捻りあるキャラクターばかり。

「ネル」「イノセント・ボーイズ」で製作に関わり、「リトルマン・テイト」では監督も。いかにも彼女らしい。ちょっと説教くさい気もするけど、彼女の精神がそういう時期だったんだろうなと。「ネル」はそういう役だからだけど無垢な感じがとてもよかった。純粋なんだけど力のある瞳。この映画、私は好きなんだよね。
個人的に好きなのがもう1本、「コンタクト」がそれ。またもや知性が光る学者の役だけど、自分の夢を純粋に信じることで報われる人の心に優しいSFだった。デヴィッド・モース演じる父親との再会シーンが美しくてとても好き。ジョディが幼い女の子に戻るあの表情がとても印象的。

近年になって増えたのが“強い母”の役。「パニック・ルーム」と「フライト・プラン」。自分も母親になった彼女がこの役に惹かれたのはわからないでもない。でもだからといって作品がいいかというとそうでもなさそうな。「パニック・ルーム」はまだしも「フライト・プラン」はねえ。いかにも過ぎてちょっと食傷気味になった。

これだという主演作じゃなくて「ロング・エンゲージメント」や「インサイド・マン」のようにふらりと助演で演技するのも、気負いがなくていい感じだ。これも孤高の女優の余裕かね。

さて、彼女をUPする気になったきっかけは新作の「ブレイブ ワン」。チャールズ・ブロンソンの「狼よさらば」のジョディ・フォスター版とでもいうか。ストーリーは判りやすい復讐もの。さすがに70年代ではないのでバイオレンスを痛快にかっこよくというわけにもいかない。まあ、彼女の主演なんだからそんなことは有り得ないけど。ラストの展開は是非が分かれるところだろうが、私が感じ入ったのはそういうところじゃなかった。
愛する婚約者を奪われた哀しみ。彼への愛ゆえに生まれた揺ぎ無い憎しみ。彼が生きていた頃の姿が余りに幸せな女性なのでその気持ちが痛々しくて切ない。
独特なラブシーンがあったが、こんなに胸が痛いラブシーンを観たのは初めてだった。ジョディ・フォスターならではかもしれない。切なくて美しい女の映画だった。

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[actor(サ行)]

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