プルートで朝食を
2007-01-07


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プルートで朝食を BREAKFAST ON PLUTO
2005 英 監督:ニール・ジョーダン
キリアン・マーフィー リーアム・ニーソン スティーヴン・レア ブレンダン・グリーソン イアン・ハート

教会の前に捨てられて司祭のもとで育ったキトゥン(マーフィー)。成長したキトゥンは母親を求めてロンドンへやってくるが彼を見舞うのは不幸の数々…。それでもキトゥンは前を向いて歩いて行く!

少年の頃からゲイの傾向に目覚めた彼だが、その純粋な心はまるで天使。どんな困難にあおうとも負けない何かが彼にはあるのだろうか?キトゥンにかかれば誰もが何かやさしくなれる気がするのだろうか?彼を見てると守ってあげたくなってくる。きっと彼の未来は明るいはずだ。見た目にすればゲイ役だけど、というよりは精神的にピュアな人間というのだろうか?しぐさが女の子らしいのでそう見えるのは勿論だが子供のままの純粋さを持ち続けているような。だからこそ思うが侭に実行することは唐突で、人を疑うことを知らないままに騙されて痛い目に会うにもかかわらず次にくる今を精一杯生きようとする姿には胸が熱くなる。

こんなキトゥンを演じたマーフィーがとっても良い!彼以外のキトゥンはちょっと考えられないなあ。キトゥン=マーフィーは、「スパニッシュ・アパートメント」「ロシアンドールズ」のグザヴィエ=デュリスに続くハマリ役だと思う。彼のまた違う一面を見た。素朴なアイルランド人、クールな悪役、ピュアな青年と次々繰り出される彼の演技の奥深さを感じる。次に何がきても心配要らない気がする。

今回脇に廻ったリーアム・ニーソンやスティーヴン・レアがまたいい。司祭であるニーソンはキトゥンの不思議な魅力を理解し見守り続け受け容れる。彼の優しい笑顔がたくさん見られる。とはいえ彼もタダではすまないわけで。動揺し苦悩する司祭。この辺りがニーソンがキャスティングされたツボかなと思ったりする。
キトゥンをある意味食い物にするマジシャンのレアだが、彼もまたキトゥンの魅力に惹きつけられた一人。方法は間違っているが彼なりにキトゥンを愛していたのだと思う。善人だか悪人だか微妙なラインのキャラがまたこの人には似合う。

この映画の公開と前後して太陽系で太陽から最も遠い惑星だった冥王星(プルート)が太陽系から外されたというニュースが。あらら・・・。それほど小さい星なんだね。

「星々を訪ねて火星に向う。そして冥王星で朝食を」と言うキトゥンの冒険の旅は・・・、
「母さんを探しに行き、父さんを見つけた」で終わる。

いつまでも耳に残る「Sugar Baby Love」が心地よい。
[映画レビュー]

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