25時
2006-02-14


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25時 25TH HOUR
2002 米 監督:スパイク・リー
エドワード・ノートン バリー・ペッパー フィリップ・シーモア・ホフマン ロザリオ・ドーソン ブライアン・コックス アナ・パキン

麻薬売買で麻薬取締局に捕まり7年の刑期が確定したノートン。彼は自分を売ったのが恋人のドーソンかもしれないという疑念や、刑務所で自分が受けるであろう事態に怯えながら収監までの24時間を過ごす。

あまりスパイク・リー監督作品に好感を持ったことはないのだが本作はちょっと心を動かされた。不安や哀しみを讃えたノートンの演技に惹かれたのだと思う。
見所はいろいろあるがノートンの友人のペッパーやホフマンとの関係がとても胸を打つ。教師のホフマンにウォール街で成功しているビジネスマンのペッパー。一見バラバラな彼らと友人同士だというのが、あわなそうでいて実はこういうことってよくあるんじゃないかと思える。つきあう人間のタイプって同じ人とは限らないから。友人だから頼めること、友人だからしてあげられることにはこんなこともあるのだ。号泣するペッパーにつられて泣きそうになってしまった。

父親のコックスの気持ちも観ていて辛かった。悪役タイプのキャスティングが多い彼が不器用な父親を味わい深く演じている。親と子の1対1の関係には不器用そうなふたりがテーブルを挟んで最後の食事をする場面はぐっとくる。

このラストは少しぼやけていて、どう考えたらいいものか悩むかもしれない。観るものに結末を委ねた感じの作りの映画だ。

エンドクレジットに流れるブルース・スプリングスティーンがぴったりで更に切なさに追い討ちをかける。

ひとつだけ難点が。恋人役のドーソンが私にはいまいちなんだなぁ。最近出演頻度の高い女優の一人。ちょっと出すぎで食傷気味の感がある。ちょっとノートンとは・・・違う気がするんだけど・・・。

初出:2005/8/25(木) 午後 9:29
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