ローラ・リネイ
2005-09-12


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LAURA LINNEY   1964/2/5 USA

「ミスティック・リバー」で見事だったのは俳優だけではない。デイヴの妻役のマーシャ・ゲイ・ハーデンとジミーの妻役のローラ・リネイが素晴らしかった。この二人はとても対照的で、夫に疑惑を持ってしまったハーデンの弱さと何があっても夫を支持して守ると決めたリネイの強さの対比が哀しかった。パレードで泣きながらさまようハーデンと夫の隣で微笑むリネイのこの差が強烈だ。

リネイはイーストウッド監督とは「目撃」で彼の娘役を演じており、お墨付きだったのだと思う。彼女の演技の質の高さはどの作品を観ても明らかで様々な監督の中でも知れているのではないだろうか。ジム・キャリーのフェイクの妻役だった「トゥルーマン・ショー」のピーター・ウィアー、ケヴィン・スペイシーの同僚を演じた「ライフ・オブ・デビッド・ゲイル」のアラン・パーカーなど、名優名監督の作品での起用が目立つ。

キャリアのスタートは90年代の初頭。TVも含めて小さな役から始まるが次第に重厚な作品がどんどん増え存在感が大きくなる。とびっきりの美人じゃないが時折見せるこぼれるような笑顔は子供みたいにキラキラして可愛い。「ラブ・アクチュアリー」の奥手の彼女がそうだった。しかしながらやっぱりただのかわいい女だけじゃないのが彼女の役どころ。これや「ユー・キャン・カウント・オン・ミー」の彼女は家族の重荷を抱えて自分を犠牲にしている女性だった。しかしそれを重荷とせずに愛情と優しさに変えようとする、切なさに溢れていて彼女の幸せを願わずにはいられない気分になった。

こんな女性らしさも「ミスティック・リバー」「ライフ・オブ・・・」で見せる底知れぬ強さもリアルに表現してみせる彼女の実力は近年のオスカー候補の常連になりつつあることでもわかる。彼女が獲るのも時間の問題だろう。
初出:2005/4/28(木) 午後 8:26

追加:
「愛についてのキンゼイ・レポート」でまたかわいくもあり大人の女を感じさせるリネイを堪能した。相手役との相性ってあると思うがリーアム・ニーソンと彼女は完璧!
教授と学生の出会いから長い時を一緒に生きてきた夫婦になるまで・・・いいなぁ♪

既出コメント:

ローラはラブ・アクしか見ていないのですが、ロドリゴとの切ない関係が良かったです。 切ない表情が素敵でした!
2005/4/29(金) 午前 11:14 [ aikirin ]

非常にまれですが女優に注目することもあるのです。ここではまだレニーとモーラ、で、彼女ですが、ローラはほんとに凄い女優だと思っています。強烈に印象を残してくれる作品がいっぱい。哀生龍さんには「ユー・キャン・カウント・オン・ミー」は観てもらいたいなー!
2005/4/29(金) 午後 1:46 [ mekabucchi ]
[actor(ラ行)]

コメント(全2件)
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